石蒸し料理。
ちょっとおしゃれな見栄えにしたら、今でも流行りそう。
はじめに~沖縄の貝塚時代~
旧石器人が暮らしていた時代から数千年あとに【貝塚時代】がはじまりました。
その頃から琉球列島ではサンゴ礁が形成され、イノーとよばれる浅瀬には亜熱帯特有のカラフルな魚介類が生息するようになりました。
その海の食糧資源をもとめて、今から9000年前に九州あるいは南方あたりから居住し、南西諸島特有の貝塚文化を生み出したのです。
渡嘉敷島に行ったとき、浅瀬のシュノーケルでもかなりたくさんの魚を見ることが出来た。
今の時代と貝塚時代とで違いはもちろんあるだろうが、リーフより手前の浅瀬付近にあれだけの食料資源があれば人が定着するのもわかるような気がします。
石蒸し料理とは??
その名の通り、石で食材を蒸してつくる料理の事です。
調理工程は、こんな感じ。
①大きな葉で魚や肉を包み、地中に掘った穴に入れる。
②焼いた石を一緒に入れる。
③上から砂や土をかけ、蒸す。
これだけ!!!
個人的には、現代でいうところの「シャトルシェフ」に相当すると思っている。
シャトルシェフは、短時間火にかけた調理鍋を保温容器で丸ごと保温し、余熱で食材に火を通す保温調理ができる調理器具です。
シャトルシェフなら、ステンレス製魔法びんと同じ高い保温力があるので、食材をグツグツ沸とうさせ続ける必要はありません。
引用:サーモスHP
つまりこういうことです。
煮えたぎることの無いように火加減を気にすることなく。
ガス料金を気にすることなく。
朝食材を突っ込んで一煮立ちさせ、仕事が終わり家に着くころにはトロトロの角煮が出来上がっているということです。
とは言え、食材を葉で包む石蒸し料理では角煮など水分を使うものは作れなかっただろうが、火加減を気にすることが無いという点では同じだろう。
料理を作りながら、他の事ができるという利点は現代でも貝塚時代でもとてつもなく大きいことだろう。
そして石蒸し料理を調べるにつれ、オセアニアの名物料理「ウム」と言われる石蒸し料理に行きついた。
そしてその「ウム」と言われる石蒸し料理に込められた「思い」こそ今の沖縄にも共通するのではないかと、私は感じました。
「誇り」を包む石蒸し料理【ウム(オセアニア)】
そこにはこう書かれていました。
オセアニアの名物料理は「ウム」といわれる石蒸し料理。
ポリネシアの王国、トンガでは毎週日曜日のお昼にウムのごちそうを食べるのが習慣になっている。
そしてオセアニアでは、今でもお祝い、協会行事や結婚式などにウムがふるまわている。
日曜日に集まって共食する家族、数百人の親族や友人を招く結婚式。
何人を招待しようが大きいウムを作れば料理はふるまえる。
人と人とのつながりを大事にするのがトンガ流の「ウム」である。
おや!?
と私は思いました。
「ウム」でもてなすオセアニアの人々と、旧盆にあつまる沖縄の家庭が重なって見えました。
偶然かもしれないが、共通するもの
もちろん今では沖縄で石蒸し料理を作ってふるまっている家は無いと思いますが、旧盆の何日も前から仕込みをし、色々な料理をふるまって親族や客人をもてなす沖縄のあの風景の原点がここにあるような気がしました。
今ではサン〇ーやほっともっ〇などのオードブルを食べることも増えてはきましたが、中身汁などその家庭における「これだけは!!」という料理は今でも手作りが主流です。
貝塚時代、沖縄で過ごした人々が石蒸し料理を隣人にふるまっていたかどうかは定かではないが琉球、沖縄と続く時代で受け継がれてきたものの一つが貝塚時代からのものだと思ったら、なんか少しワクワクします。
歴史を学ぶおもしろさが、少しづつわかってきました。
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