オドルアホウ

「自動販売機」と生きた10年。飽和状態となった市場で生き抜くためには何が必要なのか??

①「自動販売機」との出会い

看護師を目指す話とはまったく関係ありませんが・・・

私が20歳のときから携わっている「自動販売機」という事業について、私なりに感じたことや自販機を運営するにあたって「これならいいんじゃない!」と思ったことを書かせていただきます。

 

申し訳ないですが具体的な商品名や数値的なものは掲載しませんのでご理解のほどよろしくお願いします。

 

自動販売機オペレーターになる

私は20歳の時に地元の千葉県で千葉県ヤクルト販売株式会社に契約社員として入社をしました。

 

え??

 

ヤクルト?ヤクルトって男の人いるんだ( ゚Д゚)

 

これ本当に言われます。どうも「ヤクルト」といえばバイクに乗ってお届けしている「女性」のイメージがカナリ強いらしく、名刺を渡してもいまいちどんな仕事をしているのかピンと来ない方が多いようです・・・。

普通に考えれば女性だけで構成されていないことくくらい想像できると思いますが。

 

それはさておき、私の業務内容はというと駅構内に設置してある自動販売機のオペレーター(主に納品)です。入社~沖縄に移住するまでの3年間オペレーターとしてお世話になりました。

 

オペレーター時代は朝から晩までひたすら「納品」に明け暮れました。

 

さすが人が集まる場所!

 

アホみたいに売れます!

 

ちゃんと確認していましたが、賞味期限確認なんてしなくても全然OKです。

まだ若かったことと、体を動かすのは好きだったので苦に感じた記憶はありません。

やるべきことは、ただただ納品!

商品管理(HOTの商品とか新商品とか)も本部から指示書が届き、それに基づいて行っていました。

 

沖縄移住後も、縁と巡り合わせがあり「沖縄ヤクルト株式会社」で働かせていただくこととなりました。

 

変わったことと言えば「自動販売機事業の運営」をメインに活動することになったことです。

 

②「自動販売機事業の運営」

さて、千葉でのオペレーター時代とうって変わり運営側で仕事をすることになった私ですが・・・

 

首都圏の駅担当だったおかげで「納品」に関してはスペシャリストに近い状態ではありましたが、この自販機がどんな仕組みで利益を生み出しているかなど考えたこともありませんでした・・・

 

ただ!!

 

私はどうやら「運」が良いらしく、沖縄で働きだしてすぐにヤクルト本社より支援が入り、自販機事業の中身についてこと細かく教えていただく機会があり、ゼロの状態から基礎~応用を2年かけて叩き込んでいただきました!

 

しかしながら・・・。

 

ヤクルトの自動販売機って見たことあります??( ;´Д`)

 

「あるある!!( ゚Д゚)」というそこのあなた。

 

少数派の人間です。

 

自動販売機大手といえば、C社やS社なのは明確です。あとは少し特殊ですがD社も自動販売機に特化した会社ですね ^^)

 

そんなわけで、自動販売機業界ではかなり下のクラスにいるヤクルトの研修で、どこまで大手に近づけていたのかはわかりませんが基礎の基礎を固めたという自負はあります。

 

ちなみに仕事でPCを使ったのも初めてでした。ん??関数?ナニソレ?みたいな状態です( ;´Д`)

 

 

自動販売機について理解したこと

7年間ほぼほぼ自販機と過ごしました。

 

オペレーターのマネジメントもしていましたが、マネジメントはこれまた難しい・・・。人をまとめるって本当に難しい。

 

そしてわかったこと。

 

「自動販売機」というのはほぼすべて数値化できる!

という事です。

自販機にまつわる費用(機種代、電気代、修理費、設置撤去にかかる費用など・・・)

商品に関わる費用(主に仕入だけかな?)

オペレーターの人件費や自販機の売上、設置先にお支払する手数料など全て自社で管理することができるのです。

 

自販機段階利益

「段階利益」という考え方があり、まず単純に「売上」から「仕入」を引いたら「粗利」と言われる数値が出ます。この時点で赤字!!なんてことは普通ありえません。

 

この「粗利」から上記にあるようなもろもろの経費を引いて利益がでるのです。

すぐにわかるのは、機種代・電気代・設置先にお支払いする手数料。

さらに細かくすると、設置・撤去費用や修繕費。

人を雇えば人件費も発生します。

車両を使うのであればガソリン代も車両の維持費も発生します。

 

そしてメーカーの子会社となるとさらに困ったことが起きることも・・・。

一概には言えないと思いますが、子会社の場合商品を仕入れるのも自販機を購入するにも必ず「本社」を経由します。それにより仕入金額や自販機の維持費も変動します。

 

なので仕入れ金額を知っている私がドラッグストアで大量に販売されている商品を見ると・・・。

 

「まじか!!ここから仕入たほうが安いし!!」

なんて思ってしまうのです( ;´Д`)

 

 

まぁ大量陳列されている商品にも色々理由はあるのですが・・・




 

③自動販売機は飽和状態にある

自販機事業って儲かってるイメージがあるのか、よく取引先や購入されるお客様に「儲かってるでしょ!!」と声をかけていただくのですが・・・全然です・・・。

近年自販機事業は大手メーカーの統合でも知られているとおり、カナリ厳しいです。

 

設置先からの手数料アップの依頼も絶えず、100円自販機や激安自販機も増え市場が荒れに荒れているように私は感じます。

 

私なりの結論は、もし私がオーナーとして自販機をやるか!?と言ったら私はやりません。

 

メーカーの下請けは利益を出すのに相当苦労しそうですし、なんせ人に褒められたり会話する事がほぼ無い!

 

その割にクレームや荒らしは結構あったりする・・・。そんなしんどい状況で、生き抜くためには何が必要なのか??

 

求められる自動販売機をつきつめる

震災後に設置先からの要望が増えたのが、「超省エネ」「災害対応機能」の二つ。

省エネに関しては、製造年月日で電気料金がかなり変わるためメーカーとして新しい機種を設置しなければならなくなるのだが、当然新しい機種は機種代が上がるので利益率が低くなる。

しかし「機種変更」というだけで手数料率の交渉はほぼ出来ない。

災害対応機に関しては、機種費用が通常よりかかることを設置先も理解している場合が多いのでメーカーとしても交渉しやすい。「AED搭載自販機」も一時期増えたが、AEDは定期的なメンテナンスとバッテリー交換などが必要となり、このメンテナンスやバッテリー交換費用が10万近くかかったりするのでかなりメーカーには厳しい現状だった。

その他にも「ソーラーパネル」や「レンタル傘付き」など各メーカーが試行錯誤をこなしながら自販機運営をしているが、現状はなかなか厳しい。

 

ただそれでも「飲料提供」を軸として、その他にもお客様に置け入れられ「付加価値」をただただ追及していくしか無いと私は考えています。

自販機ってなんだかんだ「定番商品」が一番売れますからね( ;∀;)

もう国内の売れそうな場所にはほとんど自販機が設置されてますからね・・・。

お金を積むかアイデアで乗り切るか・・・厳しい時代が来たと感じる今日この頃です。